会社が役員や従業員にお金を貸すことがありますが、金利や返済期間はどうすればいいのでしょうか。
1.金利
➀ 適正な金利(役員と従業員共通)
・他から借り入れてそのまま貸し付けた場合…その借り入れた金利
・令和4~5年に貸し付けた場合…0.9%※
※金利の推移
その時々の金利によって変わります。平成22~25年は4.3%と高かったですが、年々下がっています。令和6年はまだ国税庁から発表されていないので、今貸し付ける場合は0.9%で問題ないと思われます。
かつて「従業員への住宅資金の貸付けは年1%でOK」という規定がありましたが、世の中の金利がそれ以上に下がったため、平成22年で廃止されています。
② 低い金利
➀より低い場合や無利息の場合は、役員や従業員への給与扱いとなり課税されます。
ただし、次の場合は課税されません。
・災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要になった場合
・借入金の平均調達金利など合理的と認められる金利※
・上記以外で金利差が年5000円以下
※合理的と認められる金利
平均調達金利は銀行ごとの金利をそれぞれの残高で割って加重平均することで算定することができます。
借入がない場合は、国税庁が発表している基準年利率も参考になります。
基準年利率の長期金利は昨年5月には0.5%まで下がりましたが、今年は上昇傾向で直近の6月では1.5%になっています。
これだと➀の0.9%より高いので、できるだけ低くしたい場合には原則の➀を採用した方が良さそうです。
③ 支払い時期
元本が一括返済の場合、金利も後払いで最後に払う契約にすることがあります。
この場合も金利は発生しているので、会社側では未収入金として利息を決算ごとに収益計上する必要があります。
2.返済期間
特にルールはありませんので常識的に判断します。
通常の銀行借入と同じように20年以内程度であれば特に問題はありません。
ある時払いの催促なしとか、月1000円ずつで100年かかります、といった極端な条件だと、返済というより「あげた」要素が強いので課税される可能性もあります。
金利や返済期間については、利益を追求する会社として合理的かどうかで判断していくことになります。