前回、非上場株式の配当を受け取った場合の取扱いについては確認しましたが、海外の会社から配当を受け取った場合はどうなるのでしょうか。
1.外国子会社⇒内国法人
<内容>
・外国子会社:出資比率が25%以上※かつ保有期間が6ヶ月以上である外国法人
※租税条約により率が下がるケースもあり。フランス15%、アメリカやオランダ10%等
<課税関係>
・配当の95%を益金不算入
・外国子会社側で配当が損金算入される国(オーストラリアやブラジル等)の場合は、二重非課税にならないよう日本では益金算入
<源泉徴収額>
・外国での源泉徴収額は損金不算入で外国税額控除の適用もなし(95%益金不算入で十分優遇されているため)
・配当が益金算入される場合は、源泉徴収額を損金算入した上で外国税額控除の適用あり
2.外国子会社以外⇒内国法人
<内容>
・1に該当しない外国にある関連会社からの配当
・外国の上場株式等に投資している場合
<課税関係>
・全額益金算入
<源泉徴収額>
・損金不算入+外国税額控除 または 損金算入
・前者の方が有利ですが控除し切れないケースもありますし、後者の損金算入で源泉徴収額を経費にすることも可能です。経理処理的も後者の方が簡便です。
受取配当等の益金不算入の制度は国内の法人から受ける配当にのみ適用があります。
外国法人からの配当は益金算入となり法人税が課税されますが、海外進出を支援する観点から平成21年に改正が行われ、海外子会社からの配当は95%が非課税となり、5%だけに課税する制度になっています。