前回の続きで非上場株式に関して配当で分配を受けた場合の株主側の取扱いについて掘り下げます。
1.個人株主
<所得の種類>
・配当所得
<源泉徴収>
・20.42%源泉徴収(国税のみ)
<確定申告>
・少額配当:年間配当が10万円以下なら申告不要(但し住民税は必要)
・少額配当以外は総合課税で確定申告必要。税率は所得税5~45%、住民税10%
・経費になるのは株式取得のための借入金利子のみ
・確定申告をすれば配当控除を受けられます。課税総所得金額等が1000万円以下であれば10%、超える部分は5%の税額控除が可能です。
2.法人株主
<経理処理>
・受取配当金(営業外収益)
<源泉徴収>
・20.42%源泉徴収(国税のみ)
<益金不算入>
・配当は税引後利益から分配しているため、受け取った法人でさらに法人税が課税されると二重課税になってしまいます。そこで益金不算入制度により二重課税を避ける取扱いとなっています。決算書では利益になっていますが、法人税を計算する際に別表上で減算されます。
・持株割合に応じて益金不算入額は変わります。なお持株割合は完全支配関係があるグループ内であればグループ全体で判定します。
① 完全子法人(100%保有):配当 × 100%
② 関連法人(1/3超100%未満):配当-関連法人株式等に係る負債利子※
※「配当の4%」と「支払利子の10%」の少ない方
③ その他(5%超1/3未満):配当 × 50%
④ 非支配目的(5%未満) :配当 × 20%
完全子会社であれば全く法人税はかかりませんが、1/3超の場合は4%部分にだけ法人税が課税されます。