前回は一時的な収入増なら自分で社会保険に加入せず扶養のままでいれる、という特例でしたが、今回は社会保険に加入する場合の助成金です。

 

　年収の壁対策で一から助成金を作ったわけではなく、従来からある「キャリアアップ助成金」に新たなコースが設けられています。
パンフレットには「労働者１人につき最大５０万円助成します！」と書かれてますが、本人がもらえるわけではなく会社に支給されます。

 

１．社会保険適用時処遇改善コースの概要

① 手当金支給メニュー

　社会保険に加入すると労働者の手取りが約１５％減るため、その分給料を増やした場合に事業主に３年かけて５０万円が支給されます。

 

② 労働時間延長メニュー

　週の所定労働時間延長して社会保険に加入し、かつ賃金増額を６か月継続した場合に事業主に３０万円が支給されます。

　①と②を併用できるケースもありますがその場合も上限額は５０万円です。

 

２．助成金額（大企業は３／４）

① 手当金支給メニュー

・１年目２０万円：賃金の１５％以上を追加支給
・２年目２０万円：賃金の１５％以上を追加支給
・３年目１０万円：賃金の１８％以上を追加支給

 

② 労働時間延長メニュー（３０万円）

・週４時間以上延長
・週３時間以上４時間未満延長＋賃金　５％以上増額
・週２時間以上３時間未満延長＋賃金１０％以上増額
・週１時間以上２時間未満延長＋賃金１５％以上増額

 

　手続きや社会保険適用促進手当の扱いについては次回へ続きます。