滞納するとどうなる!?①

posted by 2023.08.31

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 国税庁から国税の滞納額の状況が公表されていました。

 2022年度末の滞納残高は8949億円(前年度+1%)、3年連続で増加しています。
内訳としては所得税3659億円、消費税3409億円、法人税1267億円、相続税527億円となっています。
新規の滞納発生額は前年度比で4.4%減少していますが、割合で見ると税収全体の約1%が新たに滞納額となっています。

 滞納残高のピークはバブル崩壊後のデフレ不況だった1998年で2兆8149億円。消費税で1.5%分ぐらいが丸々滞納だったことになります。
当時に比べると滞納残高は3割程度に減っていますが、それでも9000億円近いので大きな金額ではあります。

 国税庁としては滞納額を減らすために広報活動、キャッシュレス納付の拡大、悪質な事案への滞納整理などに取り組んでいます。

 

 悪質な事案としては次のようなものがありました。

・事業実態を知人に移した体にして財産を隠蔽⇒国税徴収法違反で告発

・唯一の財産である不動産を売却して法人を廃業。代表者は法人から貸付金を回収⇒詐害行為取消訴訟

・滞納したまま海外へ出国⇒海外の税務当局と連携して徴収

・廃業して納付困難と言いつつ、代表者が法人の資金を私的流用して妻へ流していた⇒第二次納税義務により妻から徴収

 

 国税庁の公表資料なので、徴収する側の統計や取り組みが書かれているのですが、納税者側に何らかの事情があり納付が難しい場合はどうすればいいのでしょうか。

 次回は滞納した場合の流れや対処方法について見ていきます