申告書間違いランキング

posted by 2023.04.14

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 何でもランキングにすることが多い昨今ですが、国税庁もその波に乗ってきました。

 

 「法人税の申告書によくある間違いワースト10」が国税庁のサイトで公開されていました。
このランキングは国税局が管轄する調査課所管法人(原則資本金1億円以上)を対象としていて、令和3事務年度の場合で約350社のうち、6割の会社で1位から10位までのいずれかの誤りがあったようです。

 

 資本金1億円以上となると中小企業というより中堅企業をイメージしますが、中小企業でしか使えない優遇税制(軽減税率、特別償却、税額控除など)を間違って使っている、というものがいくつかランクインしていました。

 確かに”中小企業”の線引きは規定によって異なるので間違えやすいところです。
例えば資本金3000万円の場合、軽減税率(800万円以下15%)や機械等の特別償却は使えますが、税額控除は使えなかったりします。

 他にも中間法人税額の記入が漏れているとか、損金にならない役員報酬を加算していないといった中小企業でもありそうな誤りも含まれています。

 

 今回のランキングは「申告書確認表」にリンクが貼られています。
聞き慣れない書類ですが、よくある間違いのチェックシートのようなものが国税庁から公開されていて調査課所管法人に利用を推奨しています。
提出は義務ではありませんが、使っている場合は「会社事業概況書」にチェックを入れて提出して、税務調査の際に活用状況について確認することもあるようです。

 

 申告書確認表自体は内容が細かく、かつボリュームもあるので、専門家が見てもげんなりするぐらいですが、作成していて自信のない別表の部分をチェックするのに活用してもいいかも知れません。