現金と税務調査

posted by 2022.07.20

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 現金取引は税務調査において重点的にチェックされます。

 振込みであれば通帳にはっきりと履歴が残りますが、現金だとそれがないので漏れてしまう可能性があります。
税務署的な目線だと売上をごまかしている可能性がある、ということになります。

 

 現金取引のどういう点に注意すべきか確認しておきます。

 

① 現金実査

 予告なしの税務調査はめっきり減りましたが、飲食店や美容室など現金商売がメインであれば突然税務調査に来て、レジの現金を数えることがあります。
その現金残高と帳簿上の現金が一致するかをチェックします。
一致しない場合は売上が漏れている可能性があるので、レジペーパー、予約帳など売上の根拠となる資料と照合していきます。
レジを打たずに売上を抜いている場合は論外ですが、ミスで漏れている場合であっても「他にもあるだろう」という目で見られてしまうので現金残高は重要です。

 

② 領収書綴り

 現金売上に関しては通常領収書を発行するので、領収書の控えと売上の計上状況をチェックします。
紙の領収書綴りの場合、控えが全部残っていなければ売上が抜けていると見られてしまうので、書き損じもそのまま残すようにしましょう。

 

③ 現金残高

 決算書に載っている現金残高が多すぎる場合や年々増えている場合は要注意です。
現金が実際より多い場合には現金売上の計上が抜けている可能性があります。
また経費支払用に出金したお金が精算されずに役員や個人事業主の家事費と混ざってしまっていることもあります。
丼勘定になっていると帳簿全体の信頼性も損ないますし、それ以前に事業の正しい収支も分からなくなってしまうので、現金の流れを明確にして残高をきっちり合わせておきましょう。

 

④ 支払い

 現金での経費や外注費の支払いに関しては当然領収書が必要です。
インボイス導入で領収書はより厳格になるので、正しく記載された領収書をもらうようにしましょう。
なお、お祝いや香典など慶弔関連で領収書がない経費については「出金伝票+案内など内容の分かる資料」をセットにして保管しておくといいでしょう。

 

 税務調査の視点で現金取引の注意点を確認しましたが、現金は事業をする上では当然合わすべきものなので、丼勘定にならないようルールを決めて効率的に管理しましょう。