合同会社の規制強化

posted by 2022.07.5

kigyou_business_man

 合同会社に関して金融庁が登録義務付けの方向という記事が日経新聞に出ていました。

 合同会社とはLLC(Limited Liability Company 有限責任会社)とも呼ばれ、起業支援の観点から株式会社より簡便に会社を作れる仕組みとして創設されましたが、悪用される例もあるため規制強化するようです。
電話やSNSで一般の個人に出資を募って、その後投資した資金が回収できなくなるトラブルが相次いでいるため、登録制にして把握しやすくするのが狙いです。
但し規制されるのは出資を一般に募るケースと想定されるので、身内や仲間内だけで出資する場合は従来と変わらないと考えられます。

 

 株式会社じゃなくて合同会社で設立しようと思うんですけど…という相談を時々受けるのでメリット、デメリットを整理しておきます。

<メリット>

1人で資本金1円でも設立できる(株式会社でも可)
・設立までの期間が短い(株式会社なら3週間~、LLCは数日~)
設立費用が安い(株式会社なら30万円程度、LLCは10万円程度)
役員に任期なし、会計監査や公告も不要で維持コストが安い
・意思決定や分配が出資割合に縛られず自由度が高い
・税制は同じなので株式会社と同じような節税策を実施できる

 

<デメリット>

社員の全員一致が原則なのでもめると収拾がつかない(出資額の多寡も無関係)
・権利譲渡や承継も全員一致なのでやりにくい面がある
・知名度や信用度でまだ株式会社には劣る。
・上場できない(株式会社に組織変更すれば可)

 

 会社を設立する場合は目先の費用にとらわれずに、設立後の運営も考えた上で設立形態を決めるようにしましょう。