税金は経費⁉

posted by 2021.10.27

money_zeikin

 税金は経費になるの?と聞かれると一般的には「払う義務があってしゃーなしに払ってるんやからそら経費でしょ」という感覚かも知れませんが、経費にならない税金もたくさんあります。

 

<経費になる税金>

① 所有にかかる税金

 固定資産税、自動車税 等

② 取得にかかる税金

 不動産取得税、登録免許税 等

③ 事業にかかる税金

 事業税、事業所税

④ その他間接税等

 消費税(税込経理の場合)印紙税、軽油引取税、関税、ゴルフ場利用税 等

 なお経費になる時期は、原則として確定した時期なので支払い義務が確定していれば未払計上できます。
ただし、③の事業税と事業所税については例外的に申告した年度の経費となります。事業年度が終わって2か月後に申告納付するため、翌年に経費にできます。

 

<経費にならない税金>

① 法人税、所得税、住民税

 儲けの結果としてかかる税金であるため、売上獲得に必要なものではなく経費にはなりません。
また利益を基準に計算するため、経費になると計算が循環して確定できなくなってしまいます。

② 延滞税、加算税、過怠税

 罰金が経費になると”罰”の意味がありませんので払っても経費になりません。
税金ではありませんが、交通違反金も同じ理由で経費になりません。
なお、社会保険料の延滞金は税法とは関係ないため、経費になります。

③ 利息や配当の源泉所得税

 法人が受け取る銀行利息や配当からは所得税が源泉徴収されています。
これらは法人税の前払いとしてあとで控除できるため、経費にはなりません。

④ 相続税、贈与税

 個人で負担しても事業に関係ないため経費になりませんが、不動産や株式を売却した場合には譲渡所得の取得費として控除できるケースがあります。

 

 経費になるかどうかという観点で分類しましたが、厳密に言うと「会計と税務」、「法人と個人」で”経費”の概念は違います。
そのあたりは次回見ていきます。