納期の特例

posted by 2021.06.15

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 少し気が早いですが、7月に入ると「納期の特例」による源泉所得税の納付があります。

 給料から天引きする所得税は翌月10日までに納めるのが原則ですが、小規模な事業者については半年に一度に簡略化することができます。

 

<小規模な事業者とは>

 役員を含めて給料をもらう人が常時10人未満で、納期の特例の手続きを選択している個人事業者及び法人を言います。
”常時”という言葉には”必ず”というニュアンスもありますが、実務上は”約”ぐらいのイメージで、11人になったらすぐ取り消しというものではありません。

 

<手続き>

 「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を事前に税務署に提出します。
申請書となっていますが、何もなければ提出月の翌月末に自動承認されます。
そのため、初めて選択する際は最初の1~2か月は毎月納付が残ることがあるので注意しましょう。

 

<納付期限>

・1~6月支給分 ⇒7月10日(土日祝なら翌日)
・7~12月支給分⇒1月20日(土日祝なら翌日)

 

<対象となる支払>

① 納期の特例OK
・給料
・賞与
・退職金
・個人士業(弁護士、司法書士、経営コンサル、税理士等)への手数料

② 納期の特例NG(毎月納付のみ)
・デザイン料、原稿料、写真撮影料、出演料、モデル料、外交員報酬、ホステスの報酬など
・非居住者(法人も含む)へ支払う国内不動産の家賃、知的財産の使用料など

 

 納期の特例とは直接関係ありませんが、新たに入社された方から「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらっているかも確認しておきましょう。
給与計算に必要な書類なので本来は入社後すぐ、1回目の給料支払前に提出してもらうものです。
なお、今年の4月以降は押印不要になっているので国税庁HPにある様式ではすでに「印」はなくなっています。