金投資と税務

posted by 2020.07.28

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 株価の変動が激しく、不動産の先行きを読むのも難しい現状から、安全資産として金投資が注目されています。
7月27日にはニューヨーク金先物が9年ぶりの最高値をつけた、というニュースもありました。

 

 金投資について主な投資方法と税金について確認します。

1.投資方法

① 純金積立

地金商、証券会社、銀行などで月々定額(数千円~)で購入します。
高い時に少なく、安い時に多く買うドルコスト平均法が効くので価格変動リスクを抑えられます。

② 金ETF

証券会社を通じて投資信託の一種として買います。
株式のように好きなタイミングで売買できますが、元本保証はありません。

③ 金地金・金貨

いわゆる金の延べ棒や金貨で記念品やプレゼントとして使われることもあります。実物だけに世界中どこででも換金できますが、保管リスクがあるので貸金庫に入れるなど対策が必要です。

④ 金先物

商品取引会社や証券会社などに証拠金を差し入れて取引します。
レバレッジが効いているため、ハイリスクハイリターンの投資方法であり、上級者向けです。

 

2.所得税

① 純金積立
③ 金地金・金貨

総合課税の譲渡所得(50万円の所得控除あり)
・5年超保有していれば利益を×1/2できます。
・損失は損益通算及び3年間の繰越控除可能

② 金ETF

・譲渡所得として申告分離課税(税率 20.315%)
源泉徴収ありの特定口座なら申告不要
・上場株式との損益通算及び3年間の繰越控除可能
・NISAも金では唯一使えます。

④ 金先物

・雑所得として申告分離課税(税率 20.315%)
・特定口座はなく、利益出れば確定申告必要
・先物取引内での損益通算及び3年間の繰越控除可能
・含み益の段階では課税なし

 

3.相続税

 上場している②金ETFについては市場価格、①純金積立、③金地金・金貨については取引相場(業者買取価格)、④金先物については実物、受取額、保証金など状態によって評価します。

 

 なお、金についてはかつては表に出にくい資産のように思われていましたが、平成24年から税込200万円超の売買に関して支払調書(マイナンバー入り)の提出が取引業者に義務付けられています。