コロナ融資の範囲拡大

posted by 2020.04.10

money_yuushi

 8日に発表された緊急経済対策ですが、給付金はともかくとして、借入関係は現実に即して見直しが行われています。

「売上げはまだ5%下がっていないが、今後確実に下がる」
「表面的な売上げは増えているが、経費負担で経営は厳しい」
「民間の銀行が協力してくれない」
「保証協会の制度も知っているが、保証料の負担がしんどい」
「新規借入でないと無利子や低利子にならないのか」

 こういった声に対して手当てがされています。

1.売上基準の変更(日本公庫、商工中金)

<従来>
・最近1か月の売上げが前年又は前年比で5%減

<見直し>
単純に前期(前々期)同月の売上げと比較できない場合は、直近1か月が次の3つと比較して5%減なら対象に。

① 過去3か月の平均売上高
② 令和元年12月の売上高
③ 令和元年10~12月の平均売上高

・「単純に前期(前々月)同月の売上げと比較できない」例

★ 店舗増加や合併、業種転換
★ 売上増加に直結する設備投資や雇用の拡大を行なっている。

 この基準であれば、新店を出したので売上は増えているが既存店が大幅に下がっている場合や、設備投資等で売上げは増えたが経費負担が重い場合など経営の実情に応じた判定が可能です。

 

2.保証協会融資での無利子化 ≪補正予算成立後≫

<従来>
・保証協会付きの民間銀行での融資では、保証料の負担があるし、銀行の審査も公庫より厳しい。

<見直し>
・小規模な個人事業者は売上げ▲5%で保証料ゼロ、金利ゼロ。

・小中規模事業者は売上げ▲5%で保証料半額、▲15%で保証料ゼロ、金利ゼロ

・融資上限3000万円、無担保、優遇期間3年。

・既存融資から無利子融資への借換えも可能。

 公庫がパンクしていて時間がかかっているので民間にもほぼ同レベルの制度が導入されます。なお利子補給であるため、保証料や金利は一旦払った上であとで戻ってきます。

 

3.借換えへの対応 ≪補正予算成立後≫

<従来>
・新規にコロナ融資として申し込めば無担保や無利子の優遇があるが、既存融資の借換えでは既存の条件を引き継がれてしまう。

<見直し>
・公庫や商工中金で既に借入があって、当初の枠に戻すなど借り換えた場合でも低利子や無利子化の対象に。

・金利引き下げ、実質無利子化の限度は、公庫中小事業1億円、国民事業3000万円、商工中金1億円。

・借換え自体の限度は、公庫中小事業3億円、国民事業6000万円、商工中金3億円。

 

 2,3は補正予算成立待ちですが、1の売上げ5%基準の変更はすぐに適用されそうです。

 収束までの時間、また収束してから回復するまでの時間が長期化する可能性もあるため、可能な限り資金手当てしておいた方がいいかも知れません。
公庫融資はペナルティなしで繰上げ返済できるため、資金調達しておいて、落ち着いた段階で一括返済することも可能です。