税を学ぶ

posted by 2020.02.25

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 2月23日は今年から天皇誕生日ですが、税理士記念日でもあります。
昭和17年2月23日に税務代理士法が制定されたことに由来します。

 

 この税理士記念日と確定申告時期であることにちなんで、西宮のキッザニア甲子園では2/22(金)~2/28(木)の期間限定で『税理士事務所』のパビリオンが設けられています。
11月の「税を考える週間」では『税務署』パビリオンがあったので、どうせなら同じ時期にやって税務調査の場面をやればいいのになと思ったんですが、それはそれで生々しくて子どもには面白くないかも知れません。

 

 先日、開業を考えている若いお客様と話していて「確かに…」と思ったのは次のような素朴な疑問です。

「何から聞けばいいのか全然分からない」
「節税はした方がええの?」
「そもそも税金に関することを学ぶ機会がない」

 

 実際、税金に関してどういう教育をされているかと言うと、小学校では「社会」、中学校では「公民」、高校では「現代社会」「政治経済」の授業の中でサラっとやっているようです。
キーワードとしては、小学校のうちは”税の使いみち”のようなとっつきやすいテーマ、年齢が上がるに従って、”納税の義務”  ”税の公平な負担”  ”持続可能な社会”  ”申告納税制度”とレベルが上がっていきます。
内容もDVDあり、グループワークありでなかなか面白そうです。

 

 このブログは当然のように社会人向けに書いていますが、小中学生が読むかも知れないので、今回は少し租税教育的な内容でお送りします。

 

1.納税の義務(憲法第30条)

『国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ』

国民の三大義務と言えば「勤労」「教育」「納税」です。
前半の「法律の定めるところにより」も重要です。
租税法律主義と呼ばれる考え方で次の箇所にも定められています。

 

2.課税の要件(憲法第84条)

『あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする』

租税法律主義とは、法律の根拠がなければ、税金を賦課されたり、徴収されたりすることがないとする考え方です。
民主主義国家、法治国家である日本においては、国民の代表者である国会や地方議会において租税に関する法律も定められます。
その意味では国会を経ていない、行政の内部文書である「通達」では課税できないことになります。

 

3.申告納税制度

「申告納税制度」とは、税金について納税者自らが、税務署へ申告を行うことにより税額を確定させ、この確定した税額を納税者自らが納付する制度です。
昭和22年に、所得税、法人税、相続税の直接税3税に導入され、その後、多くの国税に導入されています。
反対の概念として「賦課課税制度」があり、行政機関の処分により税額を決定する方法です。具体的には個人住民税や固定資産税など地方税において一般的です。

 

 今回は大前提である考え方を紹介しましたが、機会があればまた租税教育的な内容も取り上げてみたいと思います。