自宅の共有取得

posted by 2019.10.11

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 前回、消費税増税に伴う住宅税制の優遇について取り上げましたが、購入した自宅を夫婦で共有にすることがあります。
このとき、共有持ち分と実際のお金の流れとが一致していないと贈与税の問題が発生します。
例えば3000万円の自宅を夫のローンで購入して、持ち分を半分ずつにしたとします。
すると夫から妻へ1500万円の贈与をしたことになり、約450万円という多額の贈与税が発生します。

 

 ではすでに登記してしまった場合はどうすればいいのでしょうか。
その場合は、税務署から指摘を受ける前に登記を訂正すれば贈与税の課税はありません。

 

 共有にするには自己資金で調整するか、住宅取得資金を親や祖父母から贈与してもらうか、それぞれが住宅ローンを組むかということになりますが、一方でしか住宅ローンを組めないケースもあります。
その場合は「連帯債務」にすれば共有にすることができます。
「連帯債務」の場合、夫婦それぞれが返済義務を負い、銀行はどちらからでも回収できます。
これに対して「連帯保証」は債務者が返済できなくなって初めて保証人が肩代わりします。
「連帯債務」は常に返済義務があるだけに、妻が自分で借りているのと同じことになり、連帯債務の負担割合に応じた持ち分を取得することができます。また住宅ローン控除も持ち分に応じて夫婦両方が受けることができます。

 

 連帯債務以外の方法では「贈与税の配偶者控除」もあります。
婚姻期間20年以上の夫婦間で自宅を贈与した場合に、2110万円まで非課税となる特例ですが、自宅そのもの以外に「自宅を取得するための資金」も特例の対象です。
建築代金を払う前に資金を贈与し、そこから購入費を払えば共有にすることができます。

 

 方法はいろいろありますので、安易な共有の登記で想定外の贈与税が発生しないように気をつけましょう。