基礎控除の改正

posted by 2019.09.5

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 少し気が早いですが、令和2年から所得税の基礎控除が変わります
基礎控除とは所得税の非課税枠のようなもので、全員に一律で認められていて、控除額は38万円です。
改正は平成7年に3万円アップして以来のことで、令和2年からは10万円アップして48万円になります(ただし合計所得金額が2400万円超で引き下げあり)。

 では10万円減税になるのかというとそうとは限らず、引き替えにサラリーマンの必要経費である給与所得控除が原則10万円縮小するのでプラマイゼロです
ただし年収850万円超のサラリーマンについては増税になります。これは給与所得控除の上限が220万円から195万円に縮小されるためで、基礎控除の10万円アップを考慮しても15万円分は増税になります。

 

 一方減税になるのが、フリーランスなどの個人事業者です。
給与所得控除は元々受けていないので縮小の影響がなく、基礎控除の10万円アップの恩恵だけがあります。

 その代わりというわけではないですが、青色申告特別控除額が10万円縮小します。
個人事業者が、①複式簿記で帳簿をつけて、②決算書に貸借対照表を添付して、③期限内申告すれば現行で65万円の青色申告特別控除を受けることができますが、これが55万円に縮小されます。

 ただし、電子申告をしているか、電子帳簿保存をしていれば従来の65万円控除が引き続き受けられます。
電子帳簿保存はややハードルが高いですが、電子申告は既にされている方も多く、65万円を適用できる方が多そうです。

 

 あっちが出ればこっちが引っ込むでちょっとややこしいですが、通常の場合は増税の影響を受けることはあまりなさそうです。