決算でのまとめ買い

posted by 2019.09.2

printer_koukan

 決算で利益が出ているので「すぐに使わないけどノートパソコンを買っておこう」とか「プリンタのインクをまとめ買いしておこう」というのは原則的に経費になりません

 

 固定資産については、購入して引き渡しを受けるだけではダメで、事業の用に供して初めて「消耗品費(30万円未満)」「減価償却費」として経費になります
パソコンであればせめて箱から出してセッティングして使える状態にするぐらいはしておきたいところです。

 

 プリンタのインクなどの消耗品や印紙切手に関しても、決算期末までに使う分は当然いいとして、まとめ買いして翌事業年度以降使うものは「貯蔵品」として在庫扱いになり、買った事業年度の経費にはなりません。
ではペンや消しゴムまで数えないといけないのかというとさすがにそんなことはなく例外規定はあります。

 

「法人税基本通達2-2-15(消耗品費等)」

 消耗品その他これに準ずる棚卸資産の取得に要した費用の額は、当該棚卸資産を消費した日の属する事業年度の損金の額に算入するのであるが、法人が事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産(各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものに限る。)の取得に要した費用の額を継続してその取得をした日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。

 つまり、定期的に買う消耗品や印刷物で、買った時に費用にする処理を毎年継続していれば細々「貯蔵品」に計上しなくていい、ということになります。

 先の例のプリンタのインクは決算でイレギュラーにまとめ買いしているので経費にならず、「貯蔵品」扱いになります。
実際には、極端なまとめ買いでなければ少々はOKでしょう。

 

 ここまで見てきたのは法人税や所得税の経費処理に関してですが、消費税に関してはちょっと事情が異なります。
注目の判決もあったのでその解説も含めて次回へ続きます。