申告期限の延長

posted by 2019.08.28

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 先日の報道で経産省と経団連が消費税の申告期限延長を財務省に要望する、というのが出ていました。
なぜこんな要望が出るかというと法人税と消費税の期限が揃っていないためです。

 法人税、消費税とも申告期限は原則として決算期末から2か月以内です。
ただし法人税に関しては条件付きで申告期限を1ケ月延長できる制度があります。

 条件というのは、会計監査を受けなければならないなど特別な事情により、2か月以内に定時株主総会が開催できず決算が確定しないことです。
理由については厳密に決められているわけではないので、会計監査を受けない会社でも申請すれば延長を受けられます。
例えばどうしても確定に時間のかかる取引先がある、といった理由でも認められると考えられます。

 法人税以外では事業税、都道府県民税、市町村民税でも同様の制度がありますが、なぜか消費税だけに延長制度がありません。
そのため、3月決算であれば消費税だけ5月末に仮で申告し、法人税と地方税を6月末に確定させ、それに応じて消費税の修正申告をするというようなことも行なわれていました。

 消費税だけ頑なに延長しない理由はあまり考えられないのでいずれ延長されるのではないでしょうか。

 

 なお、申告期限の延長と同時に納付期限も延長されるのですが、元々の期限の2か月を過ぎてからは利子税(2019年は1.6%)がしっかりかかります。
そのため、法人税や地方税の申告期限を延長している会社でも2か月以内で仮計算し、”予納申告”として概算税額を納めます。
その後内容が変更になれば差額を精算し、変更がなければ予納申告だけで納付は完了します。

 

 決算処理が1か月長くできて、納付も1か月先送りできる!というバラ色のものではありませんのでご注意下さい。