前回の続きで、ミニマムタックス課税の改正に関して、数字を入れて検証します。
1.税率が低いもの
まずミニマムタックス課税に引っ掛かりそうな税率の低い所得を整理しておきます。
総合課税、分離課税関係なく対象になりますが、基本的には税率の低い次のような分離課税が引っ掛かります。
税率は所得税のみで、ここに復興特別所得税の2.1%が乗ってきます。
なお、住民税は参考に書いているだけで、ミニマムタックス課税の影響はありません。
・上場株式の配当 :15%(別途住民税5%)
・上場株式の売却 :15%(別途住民税5%)
・非上場株式の配当:20%
・非上場株式の売却:15%(別途住民税5%)
・不動産の長期譲渡:15%(別途住民税5%)
2.計算例
M&Aを想定して、非上場株式の売却で検証します。
3000万円の株式を10億円3000万円で売却したとします。
<2024年以前>
・10億円 × 20.315%(所得税+住民税+復興税)=2億315万円
<2025・2026年>
① 所得税
・3.3億円 × 15%=4950万円
・(10-3.3億) × 22.5%=1億5075万円円
+復興税 4,205,250円
② 住民税
・10億円 × 5%=5000万円
③ ①+②=約2億5445万円(2024年比+5130万円)
税率で言うと、3億3000万円を超える部分は約28%に上がります。
<2027年~>
① 所得税
・1.65億円 × 15%=2475万円
・(10-1.65億) × 30%=2億5050万円
+復興税 5,780,250円
② 住民税
・10億円 × 5%=5000万円
③ ①+②=約3億3310万円(2026年比+7657万円)
税率で言うと、1億6500万円を超える部分は約35.6%に上がります。
M&Aは相手があることなので、時期のコントロールは難しいかも知れませんが、2026年末と2027年初めでは、税額に7657万円もの差が出ることになります。
そういう意味では、M&Aや不動産の売却などにおいて年内の駆け込み契約があるかも知れません。


