”伝家の宝刀”とはその家に代々伝わっている家宝としての名刀のことを言いますが、そこから転じて、いざという大事な時にしか用いないモノや手段、切り札のことを言います。
政治の世界であれば首相の解散権、野球の世界であれば決め球のフォークボールなどで使われたりしますが、税金の世界でも使われることがあります。
税金には租税法律主義という原則があり、税金をかけるには必ず法律による根拠が必要とされています。
ところが法律に則っていても、不自然な処理などにより税金を免れている場合は超法規的な措置で税金を課すことが可能となっています。
ただそれが乱発されると税務署的に何でもありになってしまうので、運用は慎重に行われており、よほどの時にしか抜かない”伝家の宝刀”とされています。
① 法人税法・所得税法:同族会社の行為計算の否認
同族会社において個人と法人間で恣意的な取引を行い、不当な節税を行うことを防止する
② 法人税法:組織再編の行為計算の否認
合併や分割などの組織再編行為を利用した租税回避を防止する
③ 相続税法:総則6項
様々な方法で相続税の評価額を極端に引き下げることを防止する
総則6項というのは財産評価基本通達の第6項のことで「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」という内容です。
相続財産は通常『財産評価基本通達』に基づいて評価しますが、様々な節税策によって実態を反映していない申告に関しては、例外規定である総則6項によって国税局が否認してきます。
2023事務年度までの10年間で6項が適用されたものは25件あり、そのうち不動産関連が11件、非上場株関連が14件でした。
不動産関連ではタワーマンションに関するものが有名で、その後の改正にもつながっています。
最近では非上場株関連が増えているので次回詳しく見ていきます。


