今回から内容を見ていきますが、まずは多くの人に関係のある住宅ローン控除から。
<基本的な要件>
・適用期限:2021年末から2025年末まで4年延長
・控除率 :1.0%⇒0.7%へ引き下げ(令和4年~)
・所得要件:3000万円以下⇒2000万円以下へ引き下げ(令和4年~)
<控除期間>
・新築かつ認定住宅等:13年
・新築で認定住宅以外:令和4~5年は13年、令和6~7年は10年
・中古と増改築:10年
※認定住宅等:認定住宅、ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅
※認定住宅:認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅
<借入限度>
・認定住宅:R4.5年5000万円、R6.7年4500万円
・ZEH :R4.5年4500万円、R6.7年3500万円
・省エネ :R4.5年4000万円、R6.7年3000万円
・上記以外:R4.5年3000万円、R6.7年2000万円
・認定住宅等の中古及び増改築:一律3000万円
・認定等以外の中古及び増改築:一律2000万円
現状は一般で4000万円、認定住宅で5000万円なので、認定は維持、一般は上限が下がることになります。
<その他要件>
・床面積40㎡以上50㎡未満で令和5年以前に建築確認を受けた新築住宅については所得1000万円以下であれば適用あり
・令和6年1月1日以後の建築確認または令和6年7月1日以後に登記されるもので一定の省エネ基準を満たさないものは住宅ローン控除の適用なし
・既存住宅の築年数要件を廃止。昭和57年以後であれば新耐震基準に適合しているとみなす
・東日本大震災に係る再建住宅の特例も4年延長(新築で控除率0.9%、控除期間13年)
<手続き>(令和5年分~)
・確定申告時にローンの残高証明と請負契約書等の添付を不要に
・年末調整時にローンの残高証明の添付を不要に
・銀行へのマイナンバーの提出を義務化(令和5年~)
・銀行は税務署へ住宅ローンの支払調書を提出
添付書類は減りますが、その情報をマイナンバーと支払調書でカバーするようです。
低金利で借り得になっていたことから控除率は0.7%に引き下げられましたが、控除期間が13年に延びたので比較的影響は抑えられていると言えます。
所得要件の引き下げも含めて、財源が限られる中で本当に必要な人に対象を絞った印象があります。