事業承継税制は効果が大きい分、要件も厳しく、適用を受けるための手続きも複雑です。
通常税金の手続きは税務署だけで完結しますが、経済産業省も絡んできます。
相続・贈与の別に見ていきます。
<相続税の納税猶予の特例>
①死亡後8ヶ月以内に地域の経済産業局へ認定申請⇒審査後認定
②死亡後10ヶ月以内に税務署へ相続税の申告書提出
③②と同時に担保提供
④以後5年間毎年、経済産業局(3ヶ月以内)と税務署(5ヶ月以内)に書類提出
⑤5年経過後は3年ごとに税務署にだけ書類提出
<贈与税の納税猶予の特例>
①贈与の翌年1/15までに地域の経済産業局に認定申請⇒審査後認定
②贈与の翌年3/15までに税務署へ贈与税の申告書提出
③②と同時に担保提供
④以後5年間毎年、経済産業局(3ヶ月以内)と税務署(5ヶ月以内)に書類提出
⑤5年経過後は3年ごとに税務署にだけ書類提出
相続と贈与では①②の日付が違うだけで他は同じです。
③担保提供
具体的には納税猶予の対象になっている株を担保にします。
納税猶予は条件を満たしている間の特例なので、その間会社の株式が人質として税務署に取られます。
なお担保に提供しているだけなので税務署が議決権を行使したり、配当を受け取ったりすることはありません。
①認定申請
戸籍や従業員数の証明など様々な書類が必要です。
相続や贈与がスタートしてからでなく早めに準備しておくべきしょう。
慌てて用意して間に合わない、そもそも条件を満たしていない、ということになると大幅に計画が狂ってしまいます。
なお④⑤の書類を期限内にきっちり出さないと納税猶予を取り消され、相続税贈与税に利子を加えて払う羽目になります。ご注意下さい!
次回は改正点をまとめて見ていきます。改正でかなり使いやすくなります。