事業承継税制④ 猶予がなくなる時

posted by 2014.04.4

 事業承継税制は相続税・贈与税が安くなったり免除されたりする制度ではなく、条件付きで支払が猶予される制度です。
つまり「事業承継」の前提がなくなった場合には猶予された税金を払わなくてはなりません

 ただ何か起こるのか分からないのが経営。
ずっと条件付きでは経営が縛られるので5年間は厳しく、その後は緩くなります

 

<申告期限後5年間の条件>

①後継者がずっと代表者
②雇用の8割以上を維持(1年ごとにチェック)
③後継者が筆頭株主
④上場会社でない、資産管理会社でない
⑤承継した株をそのまま持っている

 このいずれかの条件から外れると猶予した相続税・贈与税全てに利息もつけて払わなければいけません。
②雇用の8割以上を維持、という条件は唐突な感じがしますが、制度導入時に「経営者だけを優遇するのはいかがなものか」という意見があったため、雇用維持という大義名分をつけて法律を通したという面があります。

 

<5年経過後の条件>

①②③なし
④資産管理会社でない(上場はOK)
⑤承継した株をそのまま持っている

⑤については株を売った場合はその対応する分だけ、相続税・贈与税を払うことになります。
5年以内だと1株でも売れば全て納付しないといけないのですが、それに比べると緩くなっています。

 これらの条件のうち、5年以内の雇用8割維持が難しいというか先が読めないため、制度が普及しない原因の一つになっていました。
そのため改正で緩和されています。

次回は適用を受けるための手続きを見ていきます。