中小企業の事業承継をスムーズにするためにできた「事業承継税制」ですが使いにくさからあまり普及していませんでした。
そこで要件の緩和や手続きの簡素化を目指して次のような改正が行われました。
<要件緩和>
① 親族以外が後継者でもOK
② 贈与の際の役員退任要件の緩和
③ 雇用維持8割は5年間毎年から5年平均へ
<負担軽減>
④ 事業承継期間である5年間をクリアすればあとでその期間に利子税を課さない
⑤ 雇用維持ができなかった場合の納付に延納(分割払)や物納(現物で納付)を認める
<手続きの簡素化>
⑥ 株券を発行していなくてもOK
⑦ 経済産業局への事前確認制度の廃止(改正前は急な相続では適用できなかった)
この中で影響が大きいのは②と③です。
② 贈与の際の役員退任要件の緩和
改正前は役員も辞めて無給が必須。改正後は取締役に残って給料をもらいながら後継者教育ができます。
③雇用維持8割は5年間毎年チェックから5年平均へ
改正前は申告期限から1年ごとの日を基準に判定していましたが5年の平均で8割の雇用を維持すればよくなりました。
なお適用時期は⑦のみ平成25年4月1日以降、それ以外は平成27年1月1日以降の相続税増税のタイミングです。
事業承継税制を一度は検討して選ばなかった会社も、改正で使いやすくなりましたので再度ご検討されてはいかがでしょうか。