住宅減税のまちがい③

posted by 2018.12.14

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 まちがいシリーズ3つ目は住宅取得資金贈与で所得要件をオーバーしているため、適用がないケースです。

① 住宅取得資金贈与と住宅ローン控除を併用している場合

② 居住用財産売却時の3000万円控除と住宅ローン控除を両方使ってしまっている場合

③ 住宅取得資金贈与の所得要件をオーバーしている場合

 件数で言うと、①が12,600件、②が1,800件、③が100件となっていて、③は件数は少ないですが、贈与税の修正だけに税額は大きくなります。

 

③ 住宅取得資金贈与の所得要件をオーバーしている場合

<制度の概要>

 住宅取得資金贈与は父母又は祖父母から住宅購入のための資金の贈与を受けた場合に一定金額まで非課税になる特例です。

 

<主な要件>

・もらう方が贈与を受ける年の1/1で20歳以上。
・贈与年の翌年3/15までに住宅を新築、購入、増改築すること。
・贈与年の翌年12/31までに住むこと。
・贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下であること。

 今回あやまりがあったのが最後の所得の要件です。
合計所得金額2000万円というのは給料なら年間2220万円、事業をしている人なら儲けが2000万円という話なので、引っ掛かる人は限られますが、影響は大きいです。
2014年に1000万円の贈与を受けていた場合、特例を使えば贈与税は0円ですが、特例を使わないと贈与税が231万円とかなりの負担になります。

 

 なお、住宅取得資金贈与だけでなく、住宅ローン控除にも所得要件があります。
合計所得金額が3000万円を超えると住宅ローン控除を受けられませんが、所得は年単位で判定するので、10年間のうちで3000万円以下の年は住宅ローン控除を受けることができます。

 

 住宅取得資金贈与の話に戻りますが、非課税枠をおまけでご紹介しておきます。

<非課税枠>

 時期、消費税、住宅の省エネレベルによって変わります。

2015年12月31日以前:1000万円(省エネ等住宅1500万円)
2016年1月1日~2020年3月31日:700万円(省エネ等住宅1200万円)
2020年4月1日~2021年3月31日:500万円(省エネ等住宅1000万円)
2021年4月1日~2021年12月31日:300万円(省エネ等住宅800万円)

 消費税を10%払う契約の場合は次のように拡大されます。

2019年4月1日~2020年3月31日:2500万円(省エネ等住宅3000万円)
2020年4月1日~2021年3月31日:1000万円(省エネ等住宅1500万円)
2021年4月1日~2021年12月31日:700万円(省エネ等住宅1200万円)

 非課税枠が大幅に拡大されるので、多額の贈与をお考えの場合は消費税増税まで待った方がいいかも知れません。