テーマとしては「納税者の利便性の向上(スムーズ・スピーディ)」と「課税・徴収の効率化・高度化(インテリジェント)」の2つが掲げられています。
1.納税者の利便性の向上(スムーズ・スピーディ)
(1) カスタマイズ型の情報発信
<将来像>
・マイナポータルを通じて納税者個々のニーズにあった税情報をタイムリーに配信。
・例えば不動産を売却した方に対する申告案内や災害発生時に適用可能な税の減免制度のお知らせを配信するなど。
<現状>
・マイナポータルの運用を2017年1月から2度延期して2017年秋へ(セキュリティ充実のため)。
・LINEとマイナポータルを2017年中に連携。マイナンバーなど個人情報は入力せずに「マイナちゃん」とのメッセージのやり取りを通じて全国の行政サービスを案内。
(2) 税務相談の自由化
<将来像>
・メールやチャットなど多様なチャネルによる相談・回答。
・AIを活用した相談内容の分析と最適な回答の自動表示。
<現状>
・税務相談は電話か事前予約による訪問。
・シンガポールでは税務当局のHP上でAIによるシステムが稼働。質問の正しい意図を理解し、最適な回答を提示。利用者の満足度を確認し、学習により回答の精度を上げていく。
(3) 申告・納付のデジタル化の推進
<将来像>
・生命保険や医療費データをマイナポータルに表示して、確定申告や年末調整を自動化。
・行政機関の連携で添付書類の削減など手続きの簡素化。
・国と地方への電子的提出のワンストップ化。
・電子納税の推進。複数口座からのダイレクト納付や納税専用端末の導入。
<現状>
・添付書類については少しずつ減少(住宅ローン控除の住民票など)。
・電子申告は国と地方が別々で煩雑。
・カナダでは税務署の窓口サービスを廃止。電子提出かタックスセンターに直接送付。
いろいろとメニューはありますが、まずはマイナポータルを稼働させてマイナンバーのメリットを実感できるようにして欲しいところです。
また行政の縦割り構造で二度手間、三度手間になっていることが省略されると少しは「スマート」と言えるかも知れません。
次回は「課税・徴収の効率化・高度化(インテリジェント)」を見ていきます。