厚生年金のアップ&ダウン

posted by 2016.10.17

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 毎年この時期の給料計算で厚生年金保険料が変わりますが、今年は引上げ引下げの両方があります。

 

【引上げ】

内容保険料率を17.828%⇒18.182%へ引上げ(一般)

負担:月給30万円の方の本人負担で月531円増

時期平成28年9月分から(10月支払い給料)

備考:平成16年から13年続いた引上げも来年18.3%で打ち止め

 

【引下げ】

内容標準報酬月額の下限を98千円⇒88千円へ引下げ(一般)

負担:月給9万円(年108万円)の方の本人負担で月909円減

時期平成28年10月分から(11月支払い給料)

備考:職権で減額されるので提出書類はなし

 

 引上げに関しては月531円ならさほど痛みはありませんが、上がり始めの平成16年と平成29年を比べると4.72%増。
月給30万円の人の本人負担で月7,080円、会社負担も同額が増えたので少ない額とは言えません。

 

 引下げに関しては平成28年10月から社会保険の加入が年収106万円以上に拡大されたことに対応する措置です。
社会保険の年収106万円以上への適用拡大は501人以上の大企業に限られますが、今回の下限引下げは全ての企業に適用されます。
このあたりからも社会保険の適用拡大が大企業から中小企業へ範囲が広がっていくような気もします。

 

 社会保険料は天引きされるだけに支払っている感覚はあまりありませんが実は所得税や住民税より多く払っている人が大半です。
高齢者社会の進展を考えると社会保険料の負担増は避けられないだけにムダ遣いのないようチェックしておきたいものです。