住宅ローンを組む際に団信(団体信用生命保険)に加入する方が多いと思います。
たまに「団信で亡くなったら借金なくなるから相続対策にならないですよね?」と言われることがあるんですが、そんなことはありません。
確かに瞬間的には相続税は増えますが、トータルの手残りで考えると団信で住宅ローンが消える方が得です。
<例:亡くなった時点の住宅ローン残高3000万円>
① 団信なし
・相続財産から債務控除で3000万円引けます。
・相続税の軽減効果は税率(10~55%)に寄りますが、30%と仮定します(900万円)
・その後、相続人が3000万円を返済する必要があるのでキャッシュアウトします。
・相続税軽減900万円-住宅ローン支払い3000万円=▲2100万円
② 団信あり
・亡くなった時点で住宅ローンは消滅するので、①に比べると相続税の対象が3000万円多くなります。
・相続税は税率30%とすると900万円増えます。
・相続税増加900万円-住宅ローン支払い0万円=▲900万円
相続税だけでなくお金の流れで考えると、団信で住宅ローンが消える方が明らかに得ということになります。
団信の基本情報について補足しておきます。
<加入>
・フラット35…任意
・一般の銀行 …強制加入が多い
<種類>
・一般:死亡または高度障害で住宅ローン消滅
・三大疾病特約付:一般+がん、脳卒中、急性心筋梗塞で所定の状態
・八大疾病特約付:三大+糖尿病、高血圧症、肝硬変、慢性膵炎、慢性腎不全で所定の状態
<支払>
・住宅ローンの返済額に上乗せ