前回の続きで3000万円控除の具体的な計算について見ていきます。
たまにある勘違いが「買った値段より下がってるから利益出ていないし、申告要らんのとちゃうの」というもの。
建物は使用に伴う減価償却により取得費が目減りしていくので、買値>売値だったとしても譲渡所得が発生することがあります。
2.譲渡所得の計算
① 譲渡所得
・売却収入-取得費※1-譲渡費用※2-3000万円控除
※1:取得費
購入時の諸費用やリフォーム費用も含みます。土地は買値、建物は買値から減価償却費(耐用年数は通常の1.5倍の年数)を控除します
※2:譲渡費用
〇 仲介手数料、印紙、取り壊し費用、地積明示費用など。
× 修繕費、固定資産税、抵当権抹消費用など
② 控除額
・最大3000万円、2人で共有していれば最大6000万円
③ 税率
3000万円控除により譲渡所得は0になるケースが多いですが、控除し切れない場合は次の税率がかかります。
・長期(1/1時点の所有期間が5年超):所得税15.315%+住民税5%
・短期(1/1時点の所有期間5年以下):所得税30.63%+住民税9%
・居住用の軽減税率※:所得税10.21%+住民税4%
※3000万円控除の要件に加えて、1/1時点の所有期間が10年超、上限の譲渡所得6000万円などの要件があります。
④ 申告年
・契約年または引き渡し年のいずれかを選択可能
長くなったので他規定との関係は次回へ続きます。