今年は選挙以降、”年収の壁”が話題になり、昨日の時点で引き上げの方向で合意があったようです。
2025年からの引き上げを目指すようなので、今日の内容は今年で最後になるかも知れません。
”103万円”が壁として強調されていますが、配偶者控除の壁は平成30年から150万円になっています。
分かりやすくするため「サラリーマンの夫、パートの妻」というモデルで配偶者控除と配偶者特別控除を確認します。
【配偶者控除】
以前は妻の給料が103万円を超えるかどうかという基準だけでしたが、今は夫の所得が多いと減額されます。
夫の合計所得金額(カッコ内は給料のみの場合):配偶者控除額
・900万円(年収1095万円)以下 :38万円
・900万円超950万円(年収1145万円)以下 :26万円
・950万円超1000万円(年収1195万円)以下:13万円
・1000万円(年収1195万円)超 :0
なお、老人控除対象配偶者(70歳以上)の場合の控除額は上から「48万円・32万円・16万円」となります。
【配偶者特別控除額】
以前は妻の給料が103万円~141万円となった場合に、103万円を超えて急に控除がなくならないように段階的に控除額が定められていました。
改正により夫の給料も考慮することになり、最高38万円の控除が、妻の給料103万円~201万円の範囲内で段階的に減っていきます。
≪最大額(妻の給料が103万円超150万円以下)≫
夫の合計所得金額:配偶者特別控除額
・900万円(年収1095万円)以下 :38万円
・900万円超950万円(年収1145万円)以下 :26万円
・950万円超1000万円(年収1195万円)以下:13万円
・1000万円(年収1195万円)超 :0
ここから妻の収入に応じて1~5万円刻みで減っていきます。
≪最少額(妻の給料が約197万円超約201万円以下)≫
夫の合計所得金額:配偶者特別控除額
・900万円(年収1095万円)以下 :3万円
・900万円超950万円(年収1145万円)以下 :2万円
・950万円超1000万円(年収1195万円)以下:1万円
・1000万円(年収1195万円)超 :0
配偶者控除を計算する用紙については、以前は単独でしたが、今は「基礎控除」「所得金額調整控除」と一緒になっています。
基礎控除の部分は全員が使うので、配偶者控除がない場合でもこの兼用の用紙は提出して下さい。
なお、配偶者の所得の判定は年末時点で行なうため、年末調整の処理をする12月前半の段階では見込みで判定することになります。
もし見込みと大幅に差が出て控除額が変わってしまう場合は、再年調をするか、確定申告により変更します。
また年の中途で亡くなった場合は、その時点で判定するため、亡くなった年の配偶者控除や配偶者特別控除も忘れないようにしましょう。
次回は扶養控除です。