個人事業主の起業セミナー ⑥ 節税策

posted by 2024.11.21

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 セミナー5時間目はみんな大好き「節税対策」です。

 

 所得税の仕組みから考えると基本的には「経費」を増やすか、「所得控除」を増やすことが節税になります。

・収入-経費=所得

・所得-所得控除=課税所得

・課税所得 × 税率-税額控除=所得税

 

1.経費を増やす

① 専従者給与

 青色申告であれば同一生計の親族に給料が出せます。
所得税は所得が増えるほど税金が高くなる「累進税率」になっているため、家族での合計が同じでも分散すれば税負担は減ります。
また法人の役員には賞与は出せませんが、個人事業主の専従者には賞与も出せます。

 

② 青色申告の特典

 専従者給与以外では「青色申告特別控除」「少額減価償却資産」も青色申告の特典として節税になります。
青色申告特別控除は会計ソフトで貸借対照表を作成して、電子申告すれば最大の65万円を経費にできます。
少額減価償却資産は1点30万円未満のモノを年間300万円まで経費にできる制度で、パソコン、携帯、オフィス家具等に使用できます。

 

③ 年払い(短期前払費用)

 毎月払うものはその月ごとに経費にするのが原則ですが、次のようなものは年払いすれば先の分まで経費にできます。

・家賃や駐車場代
・損害保険料
・電子版の新聞雑誌の購読料

 ポイントは1年以内にサービスの提供を受けることなので2年分や3年分を前払いすると適用がありません。

 

④ 経営セーフティ共済

 元々は連鎖倒産を防ぐための保険ですが、全額経費になることから節税手段として使われることが多くなっています。
掛金は月5000円~20万円なので最大年240万円を経費にできます。
累計で800万円に到達すると打ち止めでそれ以上は払えません。
なお、解約した時には収入で受け入れて課税されることになるので解約のタイミングは要注意です。

 

⑤ 家事費の按分

 自宅兼事務所の場合は家賃、光熱費、通信費などの一部を経費にできます。
割合については使用面積など合理的な基準で算定します。
自動車については2台あれば1台はすべて事業用とも言えますが、1台であれば使用日数や走行距離等により事業用と家事用に按分します。
自動車に関わる経費としては、減価償却費、駐車場代、車検費用、税金、ガソリン代などがあります。

 

 所得控除については次回へ続きます。