先週17日に基準地価が発表されました。
全国平均で前年より1.4%上昇し、3年連続のプラスになっています。
三大都市圏では再開発や堅調な住宅需要により上昇幅が拡大しています。
また地方ではインバウンドの増加が波及したことによる上昇も見られます。
地価の発表はちょっと前にもあったような…
地価は一体いくつあるのでしょうか。またなぜいくつもあるのでしょうか。
<一物六価?>
・基準地価:都道府県が鑑定評価を元に7/1時点で評価して9月に発表。土地売買の目安
・公示地価:国が鑑定評価を元に1/1時点で評価して3月に発表。土地売買の目安
・路線価 :国税庁が公示地価や売買実例等を元に1/1時点で評価して7月に発表。相続税や贈与税の計算に使用
・固定資産税評価額:市町村が公示価格を元に1/1時点で評価して3月頃に公表。3年に1度見直し。固定資産税や不動産取得税等の計算に使用
・実勢価格:実際に売買される土地の時価。不動産業者や売買実例を通じて知ることができる。
・鑑定評価:不動産鑑定士に依頼して評価した個別の土地の時価。土地売買の目安
このうち上の4つを公的機関が発表しているので、そこまでをまとめて「一物四価」と呼ぶこともあります。
<なぜこんなにある?>
まず使用する目的が違うこと、それに関連して公表する役所や基準となる時期が違うことが複数ある理由です。
基準地価と公示地価は水準としては近いですが、半年ずれているため、1年の間での動きをより細かく知ることができます。
路線価は公示地価の約8割、固定資産税評価額は公示地価の約7割が目安となっています。
連動している部分があるので大きく見ると似たような動きをしています。
今年の路線価と公示地価の全国平均は同じ+2.3%でしたが、基準地価は全国平均で+1.4%でしたので上昇スピードは少し落ちたと見ることもできます。
ちなみに最高地点は基準地価が銀座の「明治屋銀座ビル」で1㎡あたり4210万円、路線価が同じく銀座の「鳩居堂前」で1㎡あたり4424万円となっています。路線価が公示地価の8割程度と考えると鳩居堂前の方がより高いと言えそうです。