税理士になる方法

posted by 2023.04.19

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 先日、税理士試験の日程が発表され、今年は8月8日(火)~10日(木)の3日間となりました。
今回は受験資格が緩和されてから初の試験になります。

 

 従来は学歴、資格、職歴のいずれかの要件を満たす必要がありましたが、会計科目(簿記論と財務諸表論)については受験資格がなくなりました。
年々受験者数が減っていたので門戸を広げる、というのが緩和の理由です。
ほとんどの人がこの2科目から受験をスタートするので、受験資格がなくて諦めていた人や遠回りしていた人には朗報です。

 なお税法科目については従来と変わらず、次のいずれかの受験資格が必要です。

【 学識 】

・大学又は短大の卒業者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
・大学3年次以上で、社会科学に属する科目を1科目以上含む62単位以上を取得した者
・一定の専修学校の専門課程を修了した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
・司法試験合格者
・公認会計士試験の短答式試験に合格した者(平成18年度以降の合格)等

※「法律学又は経済学」から「社会科学」(法律学、経済学、社会学、政治学、行政学、政策学、ビジネス学、コミュニケーション学、教育学、福祉学、心理学、統計学等)へ拡大

 

【 資格 】

・日商簿記検定1級合格者
・全経簿記検定上級合格者(昭和58年度以降の合格)

 

【 職歴 】

・法人又は事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
・銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付、運用に関する事務に2年以上従事した者
税理士、弁護士、公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者 等

 

 

 税理士試験合格には早くて3~5年、平均で10年かかると言われていますが、試験合格以外にもルートがあります。

<資格>

・弁護士
・公認会計士(研修必要)

 登録さえすれば税理士になれます。
ちなみに弁護士は弁理士、社労士、行政書士、海事補佐人にもなれるので将棋で言うと竜以上の強さです。

 

<学位>

・大学院で修士(会計)の学位取得⇒会計1科目免除(1科目は試験)
・大学院で修士(税法)の学位取得⇒税法2科目免除(1科目は試験)

・大学院で博士(会計)の学位取得⇒会計全科目免除
・大学院で博士(税法)の学位取得⇒税法全科目免除

 平成14年までは大学院に4年行けば全科目免除だったのですが、今は修士2年博士3年 × 2で10年かかります。
費用も時間もかかるので、修士で一部免除にして残りは受験する人が多いようです。

 

<税務署勤務>

・10年又は15年以上税務署勤務⇒税法科目免除
・23年又は28年以上税務署勤務+研修⇒全科目免除

 年数で「又は」の幅があるのはどの部署で経験したかによって必要な期間が異なるためです。

 最近の新規登録者の比率では、試験合格者約25%、免除約50%、会計士約20%で、税理士の半数は国税OBということになっています。

 

 税理士になるにはいろんなルートがありますが、受験試験の緩和で税理士を目指す人が増えて欲しいものです。