納税地の異動届

posted by 2023.01.12

hikkoshi_man

 確定申告をする際には1枚目の左上の欄に住所を書きますが、よく見ると「現在の住所又は居所事業所等」となっています。

住所:生活の本拠。法的には住民票のある場所

居所:生活の本拠とまでは言えないが、相当期間継続して居住している場所

事業所等:事業に係る事務所等がある場所

 原則は住所を所轄する税務署宛てに申告しますが、居所や事業所等を選ぶこともできます。
従来、住所を移転した場合には「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」、住所に代えて居所や事業所等の所在地で申告する場合には「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」を遅滞なく(なるべく早く)提出する必要がありました。

 

 令和4年度税制改正によりこの手続きが簡素化され、令和5年1月1日以後、異動(変更)届出書の提出が不要となりました。
新しい申告先を書いておけば見れば分かりますし、マイナンバーがあることで同一人物であることが特定できるからだと思われます。

 

 ただし税務署から届く郵便物(年末調整や予定納税など)もあるので、年の途中で書類の送付先を変更することもできます。
その場合は「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を異動の所轄税務署に提出します。
書式は国税庁のHPにあり、記載内容は従来より若干簡単になっています。

 

 地味な改正ですが手続きは1つ減りますし、一般の方は異動届出書を提出しないといけないという認識自体なかったと思うので実務に即した現実的な対応と言えます。
なお法人の場合はそのような改正はないため、従来通り「異動届出書」の提出が必要です。