誤送金と一時所得

posted by 2022.05.24

otoshimono_police1

 世間を騒がせている誤送金問題

 決済代行業者から3500万円が返還されているという話もありますが、公金だけに納得のいく結末になって欲しいものです。

 

 4630万円使い切っていれば逃げ得かというとそんなはずはなく当然返還義務があり、税金もかかってきます。
税金の分類としては所得税の「一時所得」に該当します。

 

・一時所得:4630万円-50万円)×1/2=2290万円

・所得税:(2290万円-基礎控除48万円)×40%-279.6万円+復興税2.1%≒630万円

・住民税:(2290万円-基礎控除43万円)×10%≒225万円

 住民税非課税世帯なので他の所得の影響は無視して、所得控除も簡易的に基礎控除のみで計算しています。
合計で約855万円の税金がかかってきます。

 4630万円を労せずに受け取って855万円の税金なら安く感じてしまいますが、意外に少ないのは一時所得の1/2課税が効いているためです。

 

 一時所得についても確認しておきます。

<定義>

・一時的、偶発的な所得
・労働や資産売却による所得ではない
・営利を目的とした継続的行為から生じていない

 

<計算>

(総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額50万円)×1/2 × 超過累進税率

 

<例>

・懸賞や福引きの賞金や賞品
・競馬や競輪の払戻金
・生命保険や損害保険の満期返戻金、解約返戻金等
・法人からの贈与
・遺失物拾得者や埋蔵物発見者が受け取る謝礼等

 最後の遺失物拾得者ですが、落とし物を拾って警察に届けた場合、3か月経てば全額取得、3か月以内に落とし主が現れた場合は5~20%の範囲で謝礼を受け取ります。

 これも偶発的なものなので課税対象になり、50万円以上であれば所得税住民税がかかります。

 

 誤送金はめったにないとしても意外なものが一時所得に該当するので申告漏れにならないように気をつけましょう。