ふるさと納税の近況

posted by 2020.08.11

nougyou_saigai_yasai

 2019年度のふるさと納税は前年度より4.9%減って4875億円だったようです。
毎年のように増え続けてきましたが、2019年6月から返戻額を寄附額の3割以下にする制度が始まり、除外される自治体が出てきたことも減少の要因となっています。
新制度は過度な返礼品競争に歯止めをかけるのが目的でしたが、返礼割合は28.2%、全経費の比率は46.7%と低下し、目標である返礼割合3割以下、経費率5割以下という範囲に収まっています。

 

 なお、最も寄附をしたのは東京都で859億円、市町村では横浜市が144億円です。
逆に最も受け入れたのは泉佐野市で、2019年6月に除外されたものの4~5月の2か月の駆け込みで184億円を集めました。
泉佐野市は除外を不当として訴え、今年の6月末に最高裁で勝訴し、7月から新制度に沿った寄附内容で復帰しています。

 

 一方、2020年に入ってからのふるさと納税は増加傾向にあります。
要因は”コロナ禍””災害”です。

 コロナ禍に関しては、外出できないことによる巣ごもり消費の増加、観光需要減で行き場を失った商品やサービスが返礼品に登場していること、またコロナでダメージを受けた地域や事業者をふるさと納税を通じて支援できるといったことから4月以降に伸びています。

 災害に関しては、今年7月の九州・中部・東北での豪雨、昨年の東日本への台風など毎年のように大きな災害がありますが、災害支援をふるさと納税で行う動きも増えています。
被災地に直接寄附する方法だけでなく、被災地の事務負担を減らすために他の自治体が代理で受け取って届けるものもあります。
災害支援のふるさと納税に関しては事務局が手数料を取らないことが多いため、寄附額を直接的に被災地に届けることができます。

 

 都市部の税収の流出、経費負担で赤字となる自治体があることなど課題はあるものの、地方に目を向ける意味では一定の成果があり、今後も適正化を図りつつ定着していくように思われます。