源泉徴収税額表の使い方 ③ 賞与

posted by 2019.09.10

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 源泉徴収税額表の最終回は賞与のケースです。

 給料はその月の支払額から税額が決まりますが、賞与は前月の給料により税率が決まります。
これは普段の給料と税率の水準を合わせることで、年末調整時の誤差を少なくするための方法です。

 

 計算の手順は次の通りです。

① 前月の社会保険控除後の給与を計算。

② 賞与に対する源泉徴収税額の算出率表に当てはめ、扶養親族の数(障害者や寡婦等は1人加算)ごとの縦の列を求める。

③ ②の列と「賞与の金額に乗ずべき率」が交わる率(2.042%~45.945%)を求める。

④ 賞与から社会保険を控除した金額に③の率をかける(円未満切り捨て)。

 

 ここまではさほど難しくないので、賞与が極端に多い場合の特例計算についてもご紹介しておきます。

<前月給料(社保控除後)の10倍以上の賞与>

① 賞与の社保控除後の金額÷6

② ①+前月給与の社保控除後の金額

③ ②の金額を「月額表」に当てはめて税額を求める。

④ ③-前月給与に対する源泉徴収税額

⑤ ④×6

 

 ちょっとややこしいですが、式の意味としては賞与が極端に多い場合は、毎月の給与をまとめて払っていると考えて、月額表を使って計算します。
計算結果としては単純に賞与の表を使うより、税額は大幅に少なくなります。
なお決算賞与のみの場合など賞与の計算期間が半年超となる場合は、①と⑤で「6」となっている部分が「12」になります。

 

 給料の10倍以上の賞与というのは通常はないと思いますが、何らかの理由、例えば他で収入がある、先行きが読みにくいので給料を抑えているといった場合にはあり得ますので、徴収しすぎのないよう注意しましょう。