税金を上げる時は景気が悪化しないように減税と組み合わせたり、ショックを和らげる経過措置が導入されたりします。
消費税の10%引上げに際してもいろいろ用意されていましたが2年半延期されたことにより減税や経過措置も2年半延期されました。
例えば住宅取得資金の特例、食品等の軽減税率、取引ごとに税率を記録するインボイス制度の導入、税抜き表示を認める総額表示の特例などです。
そんな中、延期のドサクサで消えてしまった経過措置があります。
軽減税率の売上げや仕入れを区分するのが大変なので、次のような経過措置が予定されていました。
<売上げ>(基準期間の課税売上げ5000万円以下の企業は4年、5000万円超は1年)
① 卸売小売業:仕入れの割合で売上げも区分
② 卸売小売以外:10営業日の売上で軽減税率分も区分
③ ①②とも困難なら50%
<仕入れ>(規模に関わらず1年)
① 卸売小売業:売上の割合で区分
② 卸売小売以外:事後的に簡易課税選択可(通常は事前申請必要)
これらの経過措置に関して中小企業では導入が2年延長されましたが、大企業では廃止される見通しです。
廃止の理由は「延期したから準備期間は十分あるでしょ」だそうです。
中小企業と大企業の区分がまだ明らかにされていませんが、簡易課税の適用区分と同じになった場合、2年前の課税売上げが5000万円超の企業においては増税時に最初からきっちり8%と10%の売上げや仕入れの区分が必要となる可能性があります。
軽減税率自体に根強い反対がありますのでどうなるかは分かりませんが、法律はできてるので何もなければ淡々と導入されることになります。
設備投資の判断も難しいところですが、もう少し時期が近づいてきたらレジ改修の補助金も使いつつ準備が必要になってきそうです。