前回の続きで社会保険の壁の改正について見ていきます。
パート・アルバイトなどの短時間労働者の社会保険の加入条件は現状次のようになっています。
① 週の所定労働時間が20時間以上
② 賃金が月額8.8万円以上
③ 従業員51人以上の企業に勤務
④ 2ヶ月を超える雇用見込み
⑤ 学生でない
このうち、106万円の壁である②と130万円の壁である③が段階的に撤廃されます。
② 賃金が月額8.8万円以上
<内容>
月8.8万円 × 12か月≒年106万円が就業調整の基準になってきましたが、改正により収入基準がなくなり、週20時間以上勤務など他の要件を満たしていれば社会保険への加入が必要となります。
<時期>
・令和7年6月20日から3年以内に施行
③ 従業員51人以上の企業に勤務
<内容>
現状では従業員50人以下(社会保険の加入者数でカウント)の企業に勤務していれば社会保険の加入義務がなく、中小企業においては扶養の130万円が事実上の壁になっていました。
改正によりこの企業規模要件が10年かけて廃止されます。
<時期>
・2027年10月~ 36人以上
・2029年10月~ 21人以上
・2032年10月~ 11人以上
・2035年10月~ 1人以上(全ての企業)
<支援策>
従業員本人にとって手取り減、中小企業にとって負担増となるため、支援策が検討されています(3年間の時限措置の予定)。
・従業員向け :労使折半負担を変更可能にして企業の負担を増やし、本人の手取りが減らないように
・中小企業向け:負担が増える分を条件付きでキャリアアップ助成金支給
従業員にとっても企業にとっても大きな改正であるため、支援策の充実が期待されます。


