前回は社会保険の”壁”がなくなる話でしたが、それ以外にも社会保険の適用を拡大する方向で改正がありましたので、追加で解説します。
現行では、法人は役員1人の会社であっても社会保険に加入する義務がありますが、個人事業所については小規模であれば加入は任意となっています。
1.現行制度
① 常時従業員(※1)が5人未満 ⇒対象外(任意加入)
② 常時従業員が5人以上
・法定17業種(※2) ⇒対象(加入義務あり)
・上記以外(※3) ⇒対象外(任意加入)
※1:次の人をカウントします
・正社員
・パート、アルバイトなど名称を問わず、週の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事している通常の労働者(正社員)の3/4以上である従業員
※2:法定17業種
①物の製造、②土木・建設、③鉱物採掘、④電気、⑤運送、⑥貨物積卸、⑦焼却・清掃、⑧物の販売、⑨金融・保険、⑩保管・賃貸、⑪媒介周旋、⑫集金、⑬教育・研究、⑭医療、⑮通信・報道、⑯社会福祉、⑰弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業
※3:上記以外
農業、林業、漁業、宿泊業、飲食サービス業、デザイナー、コンサル、理美容師、カメラマン等
2.改正内容
従来対象外だった従業員5人以上で法定17業種以外の個人事業所についても加入が義務化されます(1②の下段)。
つまり5人以上いれば業種を問わず対象になります。
改正時期は2029年10月ですが、その時点で既に存在している事業所は当分の間対象外とされます。
厚生労働省としては「加入要件をシンプルに」「働くことで年金を手厚く」「人材確保に資するように」という狙いがあり、確かにプラス効果も期待できますが、中小企業経営にとっては厳しい面もあります。


