格付けアップ具体策の続きです。
作戦その3:右側は下の方を大きく
(具体例) ~役員からの借入金を処理する~
資金繰りの厳しい会社は、社長個人からお金を借りていることがよくあります。社長からの借入金は「役員借入金」として貸借対照表の右側「負債の部」に記載されています。これはなるべく下の方にもって行きたいところ。
方法は2つ。債務免除とデッドエクイティスワップ(DES)です。
債務免除とは要するに「もう返さなくていいよ」と言ってもらう事です。免除額は利益になりますので、利益剰余金が増加します。つまり、「負債の部」が減って「純資産の部」が大きくなります。ただし、免除額は利益になりますので税金を払わないといけません。
DESというのは、借入金を資本金に変えてしまうことです。中小企業の場合、資本金は社長が出したお金だと思います。役員借入金も社長が出したお金です。何が違うの?
という訳で、借入金を資本金に変えてしまいましょう。「負債の部」が減って「純資産の部」が大きくなります。
ただし、細かい説明は省きますが、資本金が増えると会社が大きくなったと扱われ税金が増えることがあります。注意して下さい。
長い連載となりましたが、ご理解いただけたでしょうか。
会社によって取れる策も変わってきますので個別事例に関してはご相談下さい。