格付けアップ大作戦⑫ 具体策

posted by 2013.04.2

それでは格付けアップの具体的な方法です。

一つ注意点ですが、貸借対照表の格付けアップ策は「あちらを立てればこちらが立たず」という面がけっこうあります。顧問税理士等と打ち合わせの上で行って下さい。

作戦その1:総資本を減らす

(具体策) ~不要な資産を売却して借入金を返済する~
 総資本が減るばかりでなく、毎月の返済額も減るので資金繰りも良くなります。ただし、不要な資産というのはたいてい売却損が発生します。そして損失というのは利益剰余金を減少させるため、「純資産の部」が減ってしまいます。
もし売却益がでれば利益剰余金が増えます。とてもありがたいのですが、税金の心配もしなければなりません。

(具体策) ~不良資産の処分~
 回収見込みのない売掛金、流行遅れ・キズものなどの理由で売るに売れない商品、こんなものは処分してしまいましょう。総資本が減少するし、自己管理の出来ている会社だということで銀行の印象も良くなります。
ただしこちらも損失が発生するので「純資産の部」が減少します。

作戦その2:左側は上の方を大きく

(具体策) ~有価証券は流動資産に~
 銀行に勧められて投資信託を購入した、という会社もけっこうあると思います。会計では、キャピタルゲイン(売却益)を目的として取得した有価証券は流動資産に記載します。ところが中小企業の実務では、固定資産に計上していることがよくあります。税法上の定義を気にしてのことだと思いますが、決算書は会計のルールに従うべきです。堂々と流動資産に記載しましょう。
(最終回へつづく)