格付けアップ大作戦②

posted by 2013.03.12

~損益計算書の仕組み~
 
 格付けを理解するために、まず決算書の仕組みについて説明します。
決算書には貸借対照表と損益計算書がありますが、損益計算書は、収益から費用を引いて今期の利益を計算するためのものです。
次の順番で、最終的な「当期純利益」を計算します。ちょっと我慢して読んで下さい。
 
①「売上高」-「売上原価」=売上総利益
②「売上総利益」-「販売費及び一般管理費」=営業利益
③「営業利益」+「営業外収益」-「営業外費用」=経常利益
④「経常利益」+「特別利益」-「特別損失」=税引前当期純利益
⑤「税引前当期純利益」-「法人税住民税及び事業税」=当期純利
 
まずは本業から得た儲けを表す営業利益を計算し(①と②の部分)
それにちょっと本業とは関係ない利益を加えて経常利益を算出し(③の部分)、
さらに本業とはまったく関係ない利益を加えて税引前当期純利益を計算する(④の部分)、
というのが損益計算書の構造です。⑤の部分は気にしないで下さい。
 
「売上高」は、その会社の本業による収益です。蕎麦屋さんなら蕎麦を売った代金です。
「売上原価」は売上に直結する費用です。蕎麦屋さんなら蕎麦粉の仕入代金です。
「販売費及び一般管理費」も本業に係る費用ですが、店舗の家賃とか火災保険など、主に商品が売れたかどうかに関係なく発生する費用です。
「営業外収益」と「営業外費用」は、本業とは関係ないけど毎期発生する収益・費用です。基本的には財務に係る収益・費用と考えて下さい。預金の受取利息は「営業外収益」、銀行への支払利息は「営業外費用」です。
「特別利益」と「特別損失」は、本業とは関係のない特殊な事情による利益・損失です。固定資産の売却とか、保険の解約などによる利益・損失などが該当します。 (つづく)