格付けアップ大作戦~損益計算書編~

posted by 2013.03.11

 融資の際の信用格付けについて何回か寄稿したところ、一部の方から「決算書が大事なのは分かったけど、具体的にどないしたらええねん?」とのご質問を頂きました。

この質問、予想してはいたのですが、それを説明しようとすると、まずは決算書の仕組みについて説明しなければならないため、紙面の都合上あえて避けていました。 しかし、いつまでも避けて通る訳にはいきません。今回は決算書の仕組みも含めた具体的な格付けアップ策について説明させて頂きます。

まずは復習です。 融資の可否は格付けで決まり、格付けは決算書で決まります。 具体的に言いますと、決算書の数字を元に「自己資本比率」とか「流動比率」などのいわゆる経営指標というものを計算し、この指標の良し悪しに応じて点数を付け、その合計得点により、あなたの会社を「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」のいずれかに区分します。 「正常先」なら融資はOK、「要注意先」なら保証協会が付けばOK、「破綻懸念先」以下に区分されると融資は無理。こんな感じで決まってしまいます。

 それから、ぜひ知っておいて頂きたいことが一つ。それは「決算書というのは誰が作っても同じ・・・ではない!」ということ。さすがに全く違うものが出来上がることはありませんが、一つの取引に対して会計処理の方法は複数あるのが普通であり、どの処理方法を選択するかによって決算書は違ってきます。 「税金の計算が間違ってなければいいじゃん」という考え方では、融資に強い決算書にはなりません。 格付けを意識した決算書を作っているかどうか、一度顧問税理士に聞いてみて下さい。 (つづく)