優良申告法人とは

posted by 2015.11.26

 優良申告法人という制度があります。
平均以上に税金を払っていて税務調査でも問題なければ表彰される制度です。
ただ表彰されるだけで特にメリットはないんですが、少しメリットらしいものも出てきました。

 今年の7月1日から適用されている新しい事務運営指針によると調査の可能性が下がるようです。

 優良申告法人として表敬された場合、原則5年後に「個別指導」が行なわれることになりました。
個別指導と聞くと特別に怒られてるような感じもしますがそうではなく税務調査の代わりに行政指導が行われます。
具体的に個別指導がどの範囲のものになるかは分かりませんが税務調査よりは当然軽くなるはずなので、書類の提出や書類を税務署に持参して説明する、というような内容になるのかも知れません。
そして個別指導の4年後に税務調査に来て問題なければ再度優良申告法人として表敬されます。
つまり9年単位の見直しなので一度表敬されると問題なければ9年間継続します。

 

 優良申告法人の基準は次のようなものです。

<机上審査>

・青色申告、期限内申告、滞納なし、eTAX利用、過去3年に平均以上の納税
・10年以内の調査で不正がなく申告漏れが所得の1割以下

<調査基準(主なもの)>

・申告漏れの割合が過去5年以内調査の半分以下
・帳簿書類の適切な保存・管理、組織整備
・公私混同がなく、代表者に不明瞭な金融取引がない
・関連会社についても適正な申告納税
・税の啓発活動への取り組み

マジメにやっていてもなかなか高いハードルです。

 

 なお優良申告法人として表敬されたとしても税務調査に来ないわけではありません
調べるべき事情があれば当然通常どおり調査にやってきます。

 

 この制度は納税者が申請するものではなく、税務署が判定するものです。
該当しそうな場合は声をかけてくれるのでその際は乗っておきましょう。
少なくとも「あなたの会社は税務署としてはあまりマークしていない」というサインではありますので。