税制改正大綱も今回が最終回。
末尾の検討事項から未来予想をしてみます。
ここには「総合的に検討する」「引き続き検討する」という言葉が並ぶだけで何かを決定したというわけではありませんが、来年以降に向けての布石が読み取れます。
1.年金課税
貯蓄商品への課税、給与課税等とのバランスに留意して、拠出・運用・給付を通じて課税のあり方を検討
⇒民間の年金や給料に比べて年金の税金は安いです。
それを強化していきたい、とも読めます。
2.寄附金税制
税額控除は諸外国にはないし、日本の所得税も所得控除が基本であることを勘案し引き続き検討
⇒所得控除に一本化し、ツギハギだらけの制度を整理する、とも読めます。
3.小規模企業の税制
個人事業主、同族会社、給与所得等のバランスに配慮しつつ、個人と法人成り企業とのバランスを図るために総合的に検討
⇒節税目的の同族会社を狙い撃ちにする意図が読めます。
4.酒税の格差
税率格差が商品開発や販売数量に影響を与えているので類似する酒類間の税率格差を縮小・廃止する方向で速やかに見直す。
⇒ビール、発泡酒、第3のビールの税率を近づけていく、と読めます。
この中では特に酒税の部分の記載に力が入っていました。
来年ぐらいにはビールと第3のビールの価格が近づいているかも知れません。
何を飲むか悩ましいところです。