上場した時の税金

posted by 2014.11.10

 ちょっと前に広告・人材大手の上場で社員が億万長者になる、というような話がありましたが、上場による株の売却益への課税はどうなるのでしょうか。

 

 かつてはいろんな制度がありましたが、今はシンプルに儲けに対して20%(所得税15%・住民税5%)が課税されます。
なお所得税には平成49年まで復興特別所得税2.1%がオンされます。

 

 過去にはどんな制度があったかというと「創業者利益の特例」というものがありました。
これは3年以上保有した株を上場後1年以内に売却した場合には利益を1/2にするというものでした。
さらに当時のエンジェル税制を組み合わせると利益は1/4となり、実質の税率は6.5%となっていました。

 上場後1年以上たっていれば源泉分離課税も選ぶことができ、この場合の税金は、儲けではなく売却額の1.05%だけでした。

 

 昔はウソみたいに上場時の課税が低かったのですが、今はこれらの特例は廃止され、株の売却に関する税金は一律20%です。

 エンジェル税制は今もありますが、以前の制度に比べるとパンチに欠けるので、ベンチャー育成という立場からは新たな優遇税制が期待されるところです。