使用人兼務役員とは「工場長」「営業部長」などの従業員としての肩書きも持って、常時従業員としても働く役員のことを言います。
従業員としての身分もあるので他の従業員と同様に賞与を出すことができ、業績と連動が可能です。
ただし、他の従業員と整合性があるかどうかはチェックされます。
・時期が他の従業員と同じ。
・係数など計算方法が同じレベルの他の従業員と同じ。
他の従業員と比較するため、給料を”役員分”と”従業員分”に区分します。
区分した役員報酬は取締役会議事録などで決定して明示します。
役員分は5~20万円とするのが一般的です。
従業員部分には原則雇用保険をかけるので失業保険を受け取ることもできます。
(例)
役員報酬 10万円
従業員給料 30万円
賞与 従業員分30万円✕係数2.0=60万円
使い勝手のいい使用人兼務役員ですが誰でもなれるわけではありません。
次のような人は使用人兼務役員にはなれません。
① 代表取締役
② 副社長、専務、常務など明らかに役員であるもの
③ 同族会社の役員で株に関して次の条件を全て満たすもの
・株主グループの第1~3順位までを合計して、50%超となる株主グループに属している
・所属する株主グループの所有割合が10%超
・本人(配偶者及び株の50%超を所有する他の会社を含む)の所有割合が5%超
③は少しややこしいですが、同族グループに属していて、株を5%超持っていれば兼務役員にはなれないので、経営者の身内は難しいケースが多いでしょう。
つづく