役員賞与の出し方①

posted by 2014.11.4

 役員には賞与を出せない、と思いがちですがそうとは限りません。

そもそもなぜ出せないという話になっているかというと利益操作に使われるためです。
決算間近になって「法人税を払うぐらいなら役員に賞与を出して利益を0にしてしまおう」とされると税務署としては税金を取れないので困ります。
「個人で所得税払うからええやんか」と言いたいところですが、”操作”されるのは気にいらないようです。

役員に賞与を出す方法は3つあります。

①事前確定届出給与
②使用人兼務役員
③利益連動給与

 

①事前確定届出給与

 事前に届けておいて確定させておけば利益操作に使えない、というものです。
正直あまり意味がありません。
12回に分けて払うものを14回に分けて払うだけで、モチベーションにつながるわけでもありません。
ただボーナス払いでローンを組んでいる従業員さんが役員に昇格した時は、今までと同じボーナス時期にあれば助かるでしょう。

利益操作防止のため、届け出た通りに支給しないと経費にしないという縛りがあります。
例えば夏50万円、冬50万円で届けていて、実際が夏30万円、冬70万円だったとすると、合計100万円まったく経費になりません
オーバーした部分だけでなく不足した場合も含めて全額アウトです。

応用編として業績に連動させる方法もあります。
1回だけ決算直前の支給で届けておいて、業績が良ければ全額支給、悪ければ0円にします。
0円をそれ以上否認できません。
all or nothing なのは使いにくいですが、決算対策の奥の手として使えます。

 

税務署への届出の期限は次のいずれか早い日です。

a.給与を決議した日から1ヶ月以内
b.職務執行を開始した日から1ヶ月以内
c.事業年度開始の日から4ケ月以内

通常は株主総会等で決議した日から1ヶ月以内になります。

つづく

事前確定_01事前確定_02