会社を起ち上げるお客様からよくある質問。
「監査役っているの?」
答えとしては「どっちでもいい」なんですが、プロとしてかっこいい答えではないのでもうちょい掘り下げてみます。
<監査役とは>(日本監査役協会HPより)
株主総会で選任され、取締役の職務の執行を監査することがその役割。
<監査の種類>
①業務監査
取締役の職務の執行が法令・定款を遵守して行われているかどうかを監査することで、一般に適法性監査と呼ばれている。
②会計監査
定時株主総会に計算書類が提出される前に行われ、株主総会の招集通知時に、会計監査と業務監査の結果が記載される監査役の監査報告が提供される。
なお通常の中小企業であれば、監査の範囲を②だけに限定できます。
これは損害賠償請求などからの負担を軽くするための措置です。
監査役は身内に頼んでなってもらってるケースも多く、会社の業務までチェックするのが難しいためです。
<監査役の設置義務>
取締役が3人以上いて取締役会のある会社であれば監査役は必要です。
平成18年の会社法改正以前の株式会社は取締役会と監査役が必要でしたが、改正により会社の機関設計はかなり自由になりました。
改正前の名残で監査役をそのまま置いている会社も多いです。
<結局いるの?>
名ばかりの監査役であれば設置する必要はないと思います。
銀行や取引先も謄本を閲覧すれば監査役の有無を確認できますが、特にプラスでもマイナスでもありませんし。
ただ取締役の仕事をチェックするという監査役の役割は重要なので、実際に監査する場合や上場を目指す場合は設置するのがベターだと思います。
<税務面>
どちらかというと監査役は取締役より役員報酬を出しにくいです。
役員報酬は業務との見合いで適正額が決まります。
取締役の業務は広範に及び、責任も重いので報酬を出しやすいです。
これに対し監査役は監査業務をちゃんとしているかどうかという話になるので、そこがあいまいであれば高額の報酬は出しにくくなります。