『なぜあの会社は儲かるのか』③

posted by 2013.07.10

コピー機の常識を建設機械へ ~ コマツ 

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最近のコピー機には、リモート診断システムが付いていますよね。
そのおかげで、単なる紙詰まりなどではサービスマンを派遣する必要が無くなり、機器メーカーのコストダウンにつながっているそうです。
コマツもGPSとセンサーを組み合わせた「KOMTRAX」というシステムを重機に搭載して、業績を伸ばしています。 

この「KOMTRAX」ですが、元々は盗難防止としてGPSを付けたのが始まりです。
夜中に重機が時速40キロで動いていたら(重機はそんなに速く走れない)、盗難と判断して警察に連絡していました。
さらには、遠隔操作によるエンジンロックシステムを組み込むことで、ますます盗まれにくくしました。
余談ですが、この遠隔ロックシステム、盗難だけでなく、代金を払わない顧客に対しても有効だったそうです。 

その後「KOMTRAX」はさらに進化して、エンジンやポンプにセンサーを組み込みました。
オイル交換の時期や、エンジン水温の上昇など重大故障の前兆を掴んで、壊れる前にサービスマンを派遣することが可能となり、顧客満足は大きく向上しました。
コマツとしても、交換部品には自社の純正品を使用してもらえるので、利益率が向上しました。 

コマツは最初からコピー機業界を真似する意図はなかったようですが、単に売るだけではなく、便利に使ってもらうことを重視することで、結果的に似たようなビジネスモデルに行きつきました。